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May/2001〜 骨折・脱臼・抜釘 Q&A ライブラリー

たか [01年 5月 12日 (土) 0時 57分] 静岡県在住、28歳、男性
身長 171cm、体重 63kg、職業:整備士
【スポーツ歴】
サーフィン6年
【既往歴】
軽い喘息10年前
【家族歴】
無し
【合併症等】
無し
【現病歴】
平成11年1月末、右手舟状骨骨折(スノボーで転倒)3ヶ月間ギブスにて固定。
その後、偽関節と診断。同年12月末、手術。右骨盤より骨移植し、ボルト(両端にピッチの違うネジ山があるもの)で固定。2ヶ月間ギブスにて固定。その2ヶ月後位(術後4〜5ヶ月位)に移植した骨が完全に体に吸収されて、偽関節と診断。
平成12年12月、2度目の骨移植ボルト締め再手術。
【医療機関】
中規模の総合病院の整形外科〜開業医の整形外科〜前医者紹介の大学病院にて手術。
【診療内容】
2度目の手術後は、1ヶ月間ギブス固定の後、親指が完全固定でヒジ手前までの装具を1ヶ月半していました。骨移植の際、右手を血管造影して舟状骨より2〜3cmヒジよりのところ?から移植しました。切り取った骨には人工骨を埋め込み、ボルトはスクリューのタイプらしいです。今は手術後5ヶ月で、月1回の通院でのレントゲン写真ではうっすらと移植した骨が写っている程度です。担当医は順調との事です。
【相談・質問】
舟状骨骨折が治りにくい骨折とは分かっていますが、移植した骨が溶けて体に吸収される事もあるのでしょうか?
手首の痛みがとれません。常に痛みを感じます。頬づえをつくことも出来ないくらいです。特に寝起きが痛いので毎日装具を付けて寝ています。
今の仕事では装具を付けてでは出来ないので、なるべく右手をかばっています。その事も担当医には伝えてあります。最終手段として、舟状骨そのものを取ってしまう、ということもあるが年齢的にこの先、色々な症状が出る恐れがあるといわれました。
今の痛みが1度目の術後の偽関節の時と同じなのですが、順調なのでしょうか?
いつまでもこの痛みが続くのなら骨を取ってしまいたいと思いますが、症例などはありますか?

[tomos]

 舟状骨骨折に関しては既に詳しく記述いたしました。たかさんの場合、残念ながら保存的治療で骨癒合が得られず偽関節になり、二度の手術を受けられたそうです。一度目の手術で移植した骨は癒合しないで吸収されたとのことですが、これは打撲による皮下出血がしばらくすると自然に吸収されるのと同じで、人間の身体には体内の余分なゴミを掃除する働きがあるのです。
 舟状骨は8つある手根骨のうちの一つですが、舟状骨骨折のような手根骨の骨折時には、同時に手根骨を繋ぐ靱帯が損傷し手根不安定症を合併することもあります。たかさんのケースに当てはまるかどうかはわかりませんが・・・。
 手術していただいた大学病院の整形外科は、教授が「手の外科」に精通しておられます。二度目の手術の経過が順調なのかどうかは、現在診察していただいている主治医にお尋ね下さい。(患者さんの手もレントゲン写真も見ずに tomos がお答えするのは、なかなか難しいです・・・)
 なお、tomos は残念ながら舟状骨を摘出した症例の経験がありません。

(May/20/2001)

あかり [01年 5月 05日 (土) 13時 44分] 愛知県在住、28歳、女性
身長 153cm、職業:主婦
【スポーツ歴】
特になし
【既往歴】
9歳・扁桃&アデノイド除去手術
27歳・薬剤アレルギー性肝機能障害
28歳・流産手術
【合併症等】
軽度喘息
【現病歴】
去年6月に子供のお尻にぶつかって骨折。(足の小指・3番目の骨です)
レントゲンの結果、腫瘍による病的骨折と解りました。
下記の治療・検査を受け経過観察(骨折中は各週・癒合後は1〜2ヶ月おき)を受けていましたが、今年3月子供のおもちゃにつまずいて再骨折。
【医療機関】
初めは開業整形外科医。その後、紹介された公立病院の整形外科。
【診療内容】
内軟骨腫。
骨は腫瘍でペラペラに薄くなってる状態。その中央部で1回目の骨折。
うっすらと骨になりかけている影が見える状態。去年の10月にMRI(単純・造影)を受けて、骨折部から骨が出来て自然に治る可能性があるから、その時を経過観察しながら待っていこうと言うことになっていました。
しかし再骨折してしまいました。先生は「本来ならば自然治癒していっても良かったんですけど折れちゃったでしょ。一回待ったもダメだったんで次もダメなんですよ。骨掻爬・生検・人工骨移植しましょう」と言われました。
予定は5月10日で術前検査も終了してます。(9日入院)
【相談・質問】
今時になってなんだと言われそうですが
・やっぱり手術しないといけないのでしょうか?(どんな場合が手術の対象になるの でしょうか?もう一度自然治癒に掛けてみることは出来ないのでしょうか?)
・内軟骨腫を手術せずに放置しておくと問題があるのでしょうか?
・手術をすれば腫瘍が出来ることはないのでしょうか?
先生の説明にも納得したつもりではいるのですが、手術を前にして「本当に必要なのか?」と言う気持ちが・・・。
TOMOS先生のご意見もお聞きしてみたく、やって来ました。よろしくお願い致します。


[tomos]

 内軟骨腫は手や足の指などにできることが多い良性の骨腫瘍で、比較的多く見られます。たいていは単発性ですが、希には多発性に発生することがあり、そのうちの一部は悪性化することがあります。
 あかりさんのように骨が薄っぺらくなり病的骨折を起こすことが多々あるので、腫瘍の掻爬、骨移植が行われます。摘出した腫瘍の組織は顕微鏡で観察する検査に出すので、病理組織が判明し、確定診断にもなります。
 骨移植は、以前は患者自身の骨を採取して移植していましたが、最近はハイドロキシアパタイトという人工骨を移植しています。歯磨きにも、ハイドロキシアパタイトを含有しているのがありましたね。
 手術後の予後は良好で再発も少ないと言われています。

(May/6/2001)

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tomos<since Jan/17/1998>last updated May/20/2001