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検査 Q&A ライブラリー

M.M [99年 2月 08日 (月) 23時 40分]

 tomos 先生お世話になります。昨年5月14日に、骨盤骨折(寛骨臼蓋骨折)後のリハビリ・後遺障害で、ご相談しましたM.Mです。
 現在職場復帰して8ケ月になります。左寛骨臼蓋骨折の後遺症として左右寛骨臼のズレが8ミリ位あり、軟骨の厚さも右に比べ約半分になっています。痛みは周期的に続いており、痛み止めを飲む毎日です。退院後1ヶ月、その後3ヶ月間隔でレントゲン検査を行っています。
 レントゲン検査では特に異常は認められませんが、今年になり5分〜10分歩くと痛みが強くなり、担当医に相談すると「歩行時、痛みの訴える症状として大腿骨頭壊死も考えられMRI撮影すると詳しく分かるのだが、あなたの場合はステンレスで固定してあるので難しい」との事でした。また退院の時ステンレス4本は、抜釘しないとの説明は受けておりました。(抜釘手術が、難しいみたいです)
 今回のご相談は、MRI撮影についてです。「MRIは金属類など駄目」なのは知っていましたが、なぜ駄目なのでしょうか?・・・CT撮影では、大腿骨頭壊死の異常は確認できないのでしょうか?
 素人の素朴な疑問ですが、御教示よろしくお願いします。

[tomos]

 大腿骨頭壊死の診断はCTでもMRIでも可能ですが、CTで診断がつかないようなごく初期の大腿骨頭壊死でも、MRIでは診断が可能です。
 CTはX線を被検部に照射してその透過度から解析してその断面像を得る検査です。
 これに対してMRIでは強力な磁力を被検部に与えて、その組織が示す(その物理的性状に特有な)電磁気的情報を解析して、被検部の断面像を得ます。CTやMRIにより得られる画像は、身体の病変や構造を知る手がかりなります。
 MRIは高磁場で行うため体内に金属が入っている人は検査ができません(ただしチタン製なら可能です)。例えば、整形外科手術で用いた金属・人工関節、手術に用いたクリップ、入れ歯、義眼、ペースメーカー、外傷による金属・伏針、避妊リング、カテーテルの金属などがあると検査ができません。また検査時は金属製の装身具、メガネ、小銭、鍵、携帯電話、ポケベル、ピップエレキバン、テレフォンカード・キャッシュカード等のカード類、フロッピーディスク、カセットテープ等も持ち込めません。
 MRI検査は食事制限や痛みもなく安全な検査ですが、長時間(30〜60分)狭い装置の中で安静に寝ている必要があります。そのため閉所恐怖症のある人、じっとできない人、意識障害のある人はMRI検査ができません。また妊婦さん、不整脈のある人、てんかんを有する人も原則としてMRI検査をしないことが多いようです。

(Feb/16/1999)

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tomos<since Jan/17/1998>last updated Jun/8/2000