局所皮弁術

1(局所皮弁)
皮膚欠損部を、それに隣接する皮膚を移動させて被覆することを、局所皮弁といいます。

2(麻酔)
手術は(腰椎・局所静脈内・局所)麻酔で行います。まれに局所麻酔剤により、ショック
症状等が出現する場合があります。もしショック症状等が出現した場合は、直ちにその治
療をいたします。
なお、手術中は麻酔または止血のために、太ももまたは腕の付け根をターニケットという
器具で圧迫することがあります。そのため、手術中その部位が多少痛く感じる場合があり
ます。

3(手術)
手術では、まず皮膚欠損部を新鮮化(健康なところまできれいにすること)します。次に
その皮膚欠損部に隣接する皮膚を移動させ、欠損部を被覆します。皮膚を移動することに
よって新たに生じた皮膚欠損部は、縫い合わせるか、それができない場合は、他の部位か
ら皮膚を採取して、これで被覆し縫合・圧迫固定します。

4(手術後)
手術後しばらくの間、手術部の血行を良くする薬剤を点滴・内服などで投与させていただ
く場合があります。他の部位から遊離植皮した場合、経過が良好であれば、手術後7日で
圧迫固定を取り除く予定です。約3週間で治る予定です。

5(再手術)
手術部の状態(血行、感染の有無など)、患者さんの年齢、持病などにより移植した皮膚
の治りが悪いことがあります。その場合、もう一度何らかの方法で皮膚を移植するなどの
再手術をすることがあります。

6(感染)
手術部に細菌が感染し(特に糖尿病の患者さん、高齢者など)、化膿して治療が困難にな
ることがあります。その予防のために、抗生剤を点滴・内服薬等で投与させていただきま
す。もし化膿を生じた場合は、その治療を開始します。

7(後遺障害)
採皮部および植皮部の色素沈着・目立つ傷跡、関節の拘縮(動きが悪いことで、特に関節
周囲の手術の場合)、筋力の低下、種々の痛み・しびれ等が残る場合があります。