腱鞘切開術(小児) 1(ばね指) 指を曲げる腱(けん)が指の付け根のところで肥厚していて(太くなっていて)、親指が 伸びにくくなったり、あるいはバネ指現象が生じたりしています。 小児のばね指は自然に治癒するケースもあり、また装具を10ヶ月位装着しているとほぼ 90%のケースで治ったとの報告もありますが、「1年近くも装具を続けるぐらいなら、 手術をして早く治したい」というご両親の希望から、手術を選択することもあります。な お、小児のための手術は全身麻酔で行うため入院が必要となり、少々おおげさになりま す。 小児の弾発指は保存的に治そうが手術で治そうが治ってしまえば全く障害が残らず、治療 時期の早い遅いもほとんど問題になりません。 2(麻酔) 手術は全身麻酔で行います。麻酔は麻酔科医が実施します。全身麻酔は安全な麻酔ですが 患者さんの状態、持病、体質、年齢などによってはリスクを伴う場合があります。 3(手術) 手術では、指の付け根のところに約1cmの切開を加えます。腱が太くなり腱の通り道( 腱鞘)が窮屈になっている部位を切開し、腱がスムーズに動くようにします。 4(感染) まれに手術部に細菌が感染し、化膿して治療が困難になることがあります。その予防のた めに、抗生剤を内服薬で服用していただきます。もし感染を生じた場合は、その治療を開 始します。 5(合併症) 腱の横には知覚神経があり、手術後しばらくしびれが続く場合があります。 |