マレット指経皮的鋼線固定術 1(マレット指のの治療) 指を伸ばす伸筋腱が断裂して、指の先の関節が変形しています。この腱を縫合するのはな かなか困難で、指を伸ばしたまま関節を固定する装具を付ける治療がよく行われています が、装具を長期間装着し続けるのは困難なことが多いです。今回は関節を鋼線で固定し、 腱が治るのを期待するという治療方法を行います。 今回の治療が奏功して、伸筋腱が癒合する可能性は約50%です。もし、指の変形が残っ ても、日常生活にはあまり支障がないと言われています。 2(麻酔) 手術は(局所静脈内・指神経)麻酔で行います。まれに局所麻酔剤によりショック症状等 が生じる場合があります。その場合は直ちにその治療をします。 なお、手術中は麻酔のため、または止血のために腕の付け根をターニケットという器具で 圧迫することがあります。そのため、手術中その部位が多少痛く感じる場合があります。 3(手術) 手術では、変形している関節を整復し、鋼線を皮膚の上から刺入して関節を固定します。 固定に用いた鋼線は皮膚の外に出しておきます。その鋼線を抜くまでの間その部位の消毒 が必要です。 4(抜釘) 手術後の経過が順調であれば、固定に用いた金属は手術後約6週で取り除く予定です。 5(再手術) 外傷の程度、部位、患者さんの年齢、体力などにより治りにくい場合があります。 その場合、再手術をする場合があります。 6(骨髄炎) まれに手術部に細菌が感染し、骨が化膿して骨髄炎を生じ治療が困難になることがありま す。その予防のために、抗生剤を点滴・内服薬等で投与させていただきます。もし骨髄炎 を生じた場合は、直ちにその治療を開始します。 7(後遺障害) 後遺障害として、関節の変形・拘縮(固まること)、筋力の低下、慢性の骨髄炎、種々の 痛み・しびれ等が残る場合があります。 |