指伸筋腱縫合術 1(伸筋腱断裂) 指を伸ばす腱(けん)が外傷のため切れて、指が伸びなくなっています。 2(麻酔) 手術は局所静脈内麻酔で行います。まれに、局所麻酔剤によりショック症状等が生じる場 合があります。もし生じた場合は直ちにその治療をします。手術中は腕の付け根を縛って いるため、痛く感じることがあります。 3(手術) 手術では、今回受傷をした手の傷を拡げて皮膚切開を加えます。これは、切れた腱が両側 に離れて移動しているためです。切れた腱を探し出してきて、寄せて縫合します。受傷後 日数が経っていて腱が短縮し縫合が困難な場合は、近接した他の腱を切り離して、その腱 を代用にして縫合する場合があります。(この場合は、新たに別の皮膚切開を加えます) 4(手術後) 手術後はギプス固定を約3週間行います。ギプスをはずした後は、しばらく指が動きにく いため、徐々に指を動かす訓練をしていただきます。 5(感染) まれに手術部に細菌が感染し、化膿して治療が困難になることがあります。その予防のた めに、抗生剤を内服薬で服用していただきます。もし感染を生じた場合は、その治療を開 始します。 6(合併症・後遺傷害) 腱の損傷の部位・状態、受傷から手術までの期間、患者の年齢・持病などにより、指が動 きくい等の障害が残ることがあります。また、腱の横には知覚神経が通っていることがあ り、手術後に手のしびれが残る場合があります。 |