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神経・筋 Q&A ライブラリー

貴子 [01年 4月 08日 (日) 22時 16分] 東京都在住、36歳、女性
身長 154cm、体重 42kg、職業:主婦
【スポーツ歴】
スキー、テニス、水泳など、全て趣味の程度です。
【既往歴】
学生の頃に胃炎を2回。
【家族歴】
20年前に母が乳癌の摘出手術を受けています。
【合併症等】
ありません。
【現病歴】
1ヶ月程前から、左脚の前面の膝から太腿にかけての痺れが取れません。常に痺れている状態ではなく、しゃがんだ態勢になって数秒後からピリピリと痺れ始め、痛みに近いほどまでになります。座った状態でバック等を乗せても、同様に痺れから痛みを感じます。歩行や、屈伸運動のような瞬間的な運動には、全く支障がありません。これと言って思い当たる原因も無く、症状としては馴染みの無いものなので、不安でなりません。
【医療機関】
1週間程前に外科+形成科の病院で診察を受けました。
【診療内容】
腫れも無く、血液検査の結果も特に異常が無いので、特別な病気ではないだろうという診断でした。ストレッチのような運動と、温湿布を張ることを指導され、実行していますが全く効果がありません。
【相談・質問】
1ヶ月も痺れが取れない状態で、特別な治療もせずに、このまま放置しても問題が無いのだろうかと不安です。大きな総合病院で、きちんと検査を受けるべきでしょうか?


[tomos]

 貴子さんの症状は知覚異常性大腿痛(meralgia paraesthetica)といいます。これは神経(外側大腿皮神経)が脚の付け根(鼠径部)のところで圧迫されて生じます。この神経は太ももの外側の知覚に携わっていますが、神経の通り道が腸骨(腰のベルトがあたる骨)のところで急激に曲がっていて、妊娠や肥満でお腹が膨れて圧迫されたり、衣服で圧迫されたり、スポーツによる機械的刺激が加わったりして、貴子さんのおっしゃるようなシビレ、痛み、違和感が生じることがあります。これを知覚異常性大腿痛(meralgia paraesthetica)と呼んでいます。
 治療は、まずは痛みを生じるような肢位や運動をさけることが第一です。あと神経の回復を促すビタミン剤を処方したり、神経の圧迫部位に注射(ブロック)をしたりしています。難治性であれば、神経の圧迫を取り除く手術をすることもありますが、手術にまで至ることは希です。
 知覚異常性大腿痛は、末梢神経障害ですから回復に相当長期間を要することがあります。でも、根気強く治療すればたいていは治りますから、貴子さんも焦らずに、気長に治療を続けてください。

(Apr/15/2001)

奈津子 [01年 2月 09日 (金) 11時 03分] 岐阜県在住、35歳、女性
身長 159cm、体重 50kg、職業:主婦
【スポーツ歴】
特になし
【既往歴】
特になし
【合併症等】
特になし
【現病歴】
アレルギー性鼻炎
【医療機関】
整形外科病院
【診療内容】
橈骨神経の圧迫麻痺と診断され、現在週3回ほどリハビリに通う。圧迫部から麻痺の部分までの距離と、神経ののびる速さ(約1ミリ/日)を考えると、治るには長くかかるでしょう、とのこと。
【相談・質問】
先生、よろしくお願いします。1ヶ月ほど前、イスの堅い肘掛けで、左腕肘の外側上部10センチ位の所を圧迫したままうとうとしてしまい、左手首が全く上がらなくなってしまいました。指は、人差し指と親指が他の指よりは若干上がるかな、という程度。特に不自由でなければ装具を作らなくても良いでしょうとDr.に言われました。装具無しでも回復への影響はありませんか。また、回復までにはやはり何ヶ月もかかる場合が多いのでしょうか。リハビリ(ストレッチ、屈伸など)は、家でもかなり頑張って行った方がよろしいでしょうか。ご相談いたします。

[tomos]

 橈骨神経が麻痺すると、手首や手指が伸ばせなくなり、この状態を下垂手(drop hand)と呼んでいます。また、手の甲の母指・示指間がしびれます。橈骨神経は肘の少し上の外側で上腕骨に接しています。そのため固い肘掛け等で同部が圧迫されると、容易に橈骨神経麻痺が生じます。このような圧迫麻痺は、神経が切れた訳ではないので、たいてい3ヶ月以内に回復します。
 圧迫神経麻痺は自然に回復しますが、長期間手を動かさないでいると、拘縮といって関節が固くなることがあり、その防止のため手首・手指のストレッチング(屈伸)を行っています。また、装具の装着、低周波刺激や、神経の回復を促すといわれているビタミンB12の投与なども行っています(たいてい自然に治りますが・・・)。担当医がコメントされているように、特に不自由でなければ、装具は装着しなくても神経の回復には影響ありません。また、発症後すでに1ヶ月が過ぎていて、もうそろそろ回復の兆しが見えてくる頃なので、装具はもう必要ないでしょう。ストレッチングはリハビリに通院してされていると思いますが、ご自分でもされるといいでしょう。

(Feb/12/2001)

M.T [01年 1月 11日 (木) 9時 58分] 大阪府在住、26歳、男性
身長 166cm、体重 51kg、職業:会社員
【スポーツ歴】
テニス(高校時代)
【既往歴】
特になし
【相談・質問】
 1/4の夕方から体がだるくなり、帰宅して熱を計ったら37.5℃程度(平熱は36.4℃)の熱がありました。(体のだるさ以外の咳、鼻水等の風邪の症状はありませんでした。)風邪薬を飲んで寝たところ翌朝には37℃ぐらいまで熱は下がり、体のだるさもなくなったのですが、足首に力が入らず、常に違和感がある状態を感じました。1/6〜8の3連休は自宅でおとなしくしていたのですが、微熱は下がらず、足首の違和感も治まりませんでした。今も朝は熱がないのですが帰宅すると37℃弱程度の微熱があり、足首の違和感はずっとある状態です。昨年も同じ時期に風邪から微熱が残り、足首の違和感がある状態が1.5ヶ月ほど続きました。その際は病院で足首のレントゲンをとってもらいましたが何の異常もなかったので、しばらく様子を見て下さいということでした。
 足首の違和感というものが上手に表現できないのですが、足首に力を入れづらい状態、力を入れると足首が壊れてしまいそうな感覚を受ける状態です。したがって、登り坂や下りの階段は、歩いていて少しつらい状態です。しかし、特にこれと言った痛みがあるわけでもありませんし、運動をしようと思えば足首を普通に使って運動をすることも可能です。(去年は、このような状態になったときに、スキーやテニスをしたこともありましたが、症状は良くも悪くもなりませんでした)
 14歳の頃に、風邪のウイルスが右膝と左足首に入り、炎症を起こし、歩けなくなってしまい2週間ほど学校を休んだことがあります。それ以降は、後遺症もなく、今まで足首に関する異常はありませんでしたが、就職してから、残業等が重なり疲れがたまってくると、足がだるくなることはよくあり、疲れ等が足に出やすいタイプなのかもしれません。今は、普通に通勤していますが、出社すると当然、社内を歩くことも多くなり足首に負担が多くかかってしまいます。会社を休んで様子を見た方がいいのでしょうか?(病院で診てもらうとしたら整形外科でいいんですか?)微熱と足首の関係、そもそもの原因と考えられること、その対処方法等のアドバイスをお願いします。


[tomos]

 微熱があるということなので、やはり何か感染症が原因・誘因では?と思いますが・・・。整形外科の範疇では結核菌による脊椎カリエスでは、微熱が出て両下肢の麻痺が出現します。多くは背部や腰部の痛みも伴います。
 感冒や感冒様症状に伴い、関節の症状が出現することがあります。風邪をひくとあちこちの関節が痛く感じることがあるのもこの類です。感冒は大部分ウイルスによって引き起こされ、風邪に伴う関節症状もウイルスによる一連の生体の反応の一つと解釈されます。
 さらに、感冒様症状に伴って神経麻痺が出現することがあります。急性多発性神経炎と呼ばれるもので、医師の間で比較的よく知られている「ギラン・バレー症候群」もこれに似た病態です。ギラン・バレー症候群は感冒様症状のあと足→膝→腰→手・腕→肩というように下から上に順に麻痺が進行していきます。麻痺が重度の時は呼吸筋麻痺も伴い、人工呼吸器のお世話になります。予後(病気の治る見込み)は良好で、多くは半年以内に治ります。ただしギラン・バレー症候群の場合は発熱を伴わずに病状が経過します。
 念のため、一度病院で医師の診察、できれば神経内科医の診察を受けられるのがいいと思います。

(Jan/11/2001)

さるる [99年 4月 14日 (水) 11時 24分]

 奈良に住む、さるるです。

1)30才、2)女、3)159cm、4)主婦、5)なし
6)右内反尖足によるアキレス腱延長・その他腱移行術(6才)、腰痛症(17才)、側湾症(17才)、アキレス腱周囲炎(25才)、肩関節周囲炎(25才)、右膝蓋大腿関節障害(28才)
7)左内反尖足、右膝内障、リウマチ性多発筋痛症、腰痛(分離症)、腱鞘炎(手)
8・9)リウマチ性多発筋痛症、首と肩のこり。血液検査の結果これだろうといわれ、治療としては、ステロイド服用。痙直型両麻痺による筋肉の緊張により、膝へのストレス。左足の症状は、年とともに出てきたものといわれました。
10)TOMOS先生の職歴にある整形外科

 リウマチ性多発筋痛症とはどのようなものか?
 血液検査の結果が良くなれば、再発の可能性は?
 痙直型両麻痺について、右足、左足、この先の生活と、右アキレス腱延長をすればひざへのストレスは減るか?(PTの先生は、このあたりでしたほうが良いと言われます)
 どうぞ、なにかアドバイスよろしくお願いします。

[tomos]

(1)リウマチ性多発筋痛について

 リウマチ性多発筋痛は、高齢の主として女性に多く生じる頸部、腰部、肩などの筋肉痛とこわばりを主症状とする症候群です。

【リウマチ性多発筋痛の診断基準】
1)血沈の亢進
2)両側の大腿部の筋肉痛
3)食欲不振・体重減少
4)発熱
5)全身倦怠感
6)朝のこわばり
7)両側の上腕部の筋肉痛

 60歳以上で上記の7項目の内3項目以上を満たすものをリウマチ性多発筋痛と定義しています。

 さるるさんはまだ30才ですから、一般的にはリウマチ性多発筋痛とは診断されないように思います。
 リウマチ性多発筋痛は慢性関節リウマチや側頭動脈炎といった自己免疫疾患に近い疾患で、治療としてはステロイドが著効します。また、たいていは1〜2年で病状が落ち着き、慢性関節リウマチなどのように最終的に四肢の機能が著しく損なわれるようなことはありません。

(2)痙直型両麻痺について

 さるるさんの痙直型両麻痺は脳性麻痺(出生時などに起きた脳の酸素欠乏等のために生じる脳が原因の身体の麻痺)の一種で、主に両下肢に痙性麻痺があります。痙性麻痺があると筋肉の緊張が強いために股・膝・足関節の動きが固くなります。
 尖足とは、足首が固くて直角以上に甲側に曲がらず、つま先が下を向いたままの状態をいいます。また、内反とは足が内がえしの状態になることをいい、痙性麻痺の人の足はたいてい内反尖足の状態になります。
 幼児期の内反尖足はまだ発症後の年数が浅く、筋肉や腱などの軟部組織の拘縮が主因で、手術で足首の後面のアキレス腱などの腱を延長することにより変形を矯正することが可能です。さるるさんの場合も6才時に右足にこの手術を受けています。
 現在さるるさんは左足が内反尖足だとのことですが、30才にもなると関節自体が固まってしまい、腱を延長するだけでは内反尖足を矯正することはできません。多くの場合、関節の靱帯や関節包(関節の袋)を切開したり、足首や足の骨を切ったり固定したりする必要があります。
 下肢に麻痺があれば、筋肉の緊張にアンバランスがあり、股・膝・足などの関節に障害を生じることがよくあります。膝の動きに関係する筋肉は下腿部の腓腹筋(アキレス腱の筋肉)だけではなく大腿部の筋肉もあります。膝の拘縮に関してはハムストリングス(膝の後内側の腱)等の複数の腱の延長を要する例が多く、また股関節や足関節の影響もあり、アキレス腱の延長ですべてが解決するという単純なものではありません。また、たとえ腱の延長等により(筋力が落ちるという副作用があるものの)関節の拘縮などを緩和させることができたとしても、痙性麻痺がある限り筋緊張のアンバランスが続くわけですから、完全に下肢の症状を治すということは現在の医学では不可能でしょう。
 麻痺や関節障害の程度は症例により様々です。さるるさんの病状は主治医の先生が一番よく把握されているはずですから、わからないことがあれば主治医の先生によく聞いてみましょう。

(Apr/17/1999)


さるる [99年 4月 19日 (月) 19時 27分]

 またまた登場のさるるです。先日の相談コーナーでお聞きするのを忘れたのですが、右膝の調子が悪く、軟骨も擦り減って亀裂がはいっててヒアロスを打っているのですが、根本的には「筋肉の緊張が強いのと膝蓋骨高位なのが問題」のようです。
 装具で膝蓋骨を押え込んで下がるようにしているのですが、装具も連続して装着してられないので(こすれて傷になったり、かぶれる)、主治医のいうには「手っ取り早く治すには、手術で膝蓋骨の位置をさげるのが一番」といわれました。
 どのような手術で、全身麻酔じゃなくても出来ますか?入院期間は?TOMOS先生、教えてください。

[tomos]

 さるるさんは主治医から「脳性麻痺(痙性麻痺)のため筋緊張が強く、また膝蓋骨の位置が高いのが右膝の症状の原因」との説明を受けられたようです。
 今回のご相談ですが、やはりネット上のやりとりだけでは、さるるさんの「膝蓋骨高位」が現在の膝の症状にどの程度関与しているのか等がよく分かりません。したがって、さるるさんの右膝がはたして膝蓋骨の位置を下げる手術の適応なのかどうか判断しかねます。
 できましたら主治医の先生か園長先生にもう一度よくご相談下さい。

(May/5/1999)

k.m. [99年 3月 16日 (火) 2時 48分]

 26歳・ 男性、173cm・62キロ、事務職です。
 5年前、学生時代に武道の股関節の柔軟で人に体重をかけられ、主に左脚の内転筋群をひどく伸ばしました。可動域にはそれほど異常がないのですが、疼痛が慢性となり、椅子に座っているだけでも痛く仕事にさしつかえます。いくつかの整形外科で診察してもらったところMRIでも血腫等はなく、骨にも疾患は見つかりませんでした。
 閉鎖神経を損傷して知覚過敏をおこしているということで、フェノールブロックまでするようになりました。フェノールで初めて効果が出ましたが、とてもデスクワークを1日こなすレベルまでにはなっていません。内転筋が付着する腱を中心に頑固な圧痛が膝裏近くまであります。本来やわらかいはずの筋肉が硬くなってなめらかに収縮しない、突っ張っている感じがいつもあります。
 医学書で腱の延長や切除の手術があることを知りましたが、適応にならないようで、悩んでいます。多少歩行能力が落ちても痛みなく座っていられるようになりたいのです。「一度限界を超えて伸びた筋腱はもとの長さよりも短く収縮してそのままになってしまう」と聞きましたが、私のような場合 どのような手術や治療が残されているのでしょうか。よろしくお願いします。

[tomos]

 内転筋群は太ももの内側にある筋肉の総称で、股関節を内転させる(開いた脚を閉じる)働きがあります。内転筋群は閉鎖神経という神経が神経支配しています。この閉鎖神経の一部は太ももの内側から膝にかけての知覚も部分的に支配しています。
 閉鎖神経が損傷される原因は、1)股関節の前方脱臼などの外傷、2)人工股関節などの手術後、3)閉鎖神経が通過する閉鎖孔という穴への腹部内臓ヘルニア、4)分娩などです。「すもうの股割で閉鎖神経が損傷された」というのはポピュラーではありません。(tomos は聞いたことがありません)

 【閉鎖神経ブロック】
 神経ブロックとは、(部分的または完全に)神経の働きを薬剤等により(一時的または永続的に)遮断することを言います。
 閉鎖神経ブロックは、閉鎖神経の炎症による大腿内側の痛み、脳性麻痺などの痙性麻痺(つっぱりを伴う麻痺)による内転筋拘縮(固まること)などに対して行われるブロックです。
 また手術では、膀胱腫瘍等の経尿道的切除術のときに、「注入した生理的食塩水で充満された膀胱が閉鎖神経を刺激して手術中に脚が不用意に動かないように閉鎖神経をブロックする」ことがあります。

 k.m. さんの場合ですが、(股割を含め)筋・腱の損傷は約3〜6週間で治ります。その後も太ももの内側の痛みが続き、閉鎖神経のフェノール・ブロックが有効だったとのことです。フェノール・ブロックは永続的ブロックの一種ですが、筋の攣縮(れんしゅく)に関与する細い神経だけを選択的に効かなくさせる作用があり、脳性麻痺(痙性麻痺)による内転筋拘縮の改善に時々実施されます。
 閉鎖神経のような末梢神経が損傷されると弛緩性麻痺(筋肉がゆるむ麻痺)を起こし痙性麻痺(筋肉がつっぱる麻痺)を起こすことはありません。
 k.m. さんの詳しい病態についてですが、MRI検査でも異常がなかったとのことですが、ネット上のやりとりだけでは今一よくわかりませんので、もう一度主治医とよくご相談下さい。お話のような状態では手術で治すという適応はないように思いますが。
 内転筋のつっぱった状態の改善にはストレッチングが有効だと思われます。ただしストレッチング前には十分にウォーム・アップをし、またストレッチングは反動をつけずに痛くない範囲で20秒間以上行って下さい。

(Mar/31/1999)

ともみ [99年 1月 05日 (火) 5時 39分]

 はじめまして!私は、34歳、女性、153cm, 45kg 。職業は、去年(98年)の11月からアメリカでハウスキーピングをしています。特にスポーツはやりませんし、以前に大きな怪我や病気もありません。
 仕事を始めてから1ヵ月程して、肩こりがひどく、手や指の先のしびれに悩まされており、夜になると抜けるような肩と上腕の痛みで、ほとんど毎晩目が覚めます。左はそうでもないのですが、右側がひどく、夜中や寝起きのときなど、指(特に中指)を曲げようとすると、痛みを感じて曲がりにくいのです。
 職業柄、ベッドメーキングやお風呂のお掃除、ガラス磨きにグラスを洗ったり、磨いたりと肩こりして当り前の仕事ですが、他のハウスキーパーの人達は、私より年上の人でも結構平気なようです。
 10年ほど前にも、ウエイトレスをやっていて、右手で鉄板などをサービスするため、肩の神経痛のようなものを患っていて、そのときも同じ様な肩の痛みを感じてましたが、指には影響なく、1年ぐらいでウエイトレスを辞めたら治りました。
 仕事を辞めるわけにもいかず、2月の半ばまでは医者にも行きたくないのですが、何か自分でできることがあれば教えてください。今も、キーボードをうっていると、肩がじんじんと痛く、鉛を乗せているようです。少しでも楽になる方法がありましたら、是非教えてください。宜しくお願いします。

[tomos]

 ご自分でもおっしゃているように、肩こりが最も考えられます。また、中指を曲げると痛みがあるのは手指の(狭窄性)腱鞘炎が考えられますが、手を使う仕事をされていて手の先が痺れるとのお話から手根管症候群も否定できません。
 なお、脊椎・神経系の疾患としては頸椎椎間板ヘルニア胸郭出口症候群により腕の痛み、手の痺れが出現することもあります。(ここでは、「肩こり」としてお話をすすめさせていただきます)
 「何か自分でできることがあれば」とのことですが、まずは症状の原因を取り除くことが重要で、症状を誘発する姿勢・動作を控えることが必要です。
 肩こりの予防には、首を前にかがめる姿勢を長時間続けないことが必要です。仕事中でも30分に1回は腕や肩を動かす体操をしてやると僧帽筋という筋肉が伸び縮みして筋肉の血行を良くします。
 最も簡単な肩こりの体操は、両腕をブラリとさせて胴のまわりで左右にまわす体操です。この単純な体操でも僧帽筋の血行が改善します。
 温浴も効果があり、入浴時少しぬるめのお湯に約20分間くらい首筋まで十分温めてやるのが効果的です。
 頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群は専門医の診察や精密検査で診断され、治療法も肩こりとは少し異なります。

【手指の(狭窄性)腱鞘炎について】
 指を曲げる筋肉は前腕にあります。その筋肉が手首のあたりから「操り人形のひも」のような腱(けん)になり、それが指につながっていて指を曲げます。指を伸ばす腱も同様です。
 主婦のように指をよく使う方は、使い傷みのために、指の付け根のところで「指を曲げる腱の通り道」(腱鞘)が炎症を起こし狭くなり、痛みやバネ現象(弾発現象、このような状態をバネ指といいます)を起こすことがあります。
 治療は、局所の安静(原因となるような手の「使いすぎ」を控える)、ステロイド等の注射で治ることもありますが、なかなか治らずに日常生活に支障を生じている場合は、腱鞘切開術という手術を行う場合があります。

(Jan/8/1998)

Yuji [98年 12月 02日 (水) 0時 37分]

 はじめまして。33歳、企画事務職の男性です。身長183cm、体重85kgです。

経緯:今年7月23日、首筋から頭部にかけてしびれる感じとひどい動悸・目眩で救急車で搬送。以後循環器内科(心電図とついでに脳のCT)、耳鼻科(平衡テスト・耳のレントゲン)のどれも異常なしとの所見。1ヶ月は歩くのも辛かったが、鍼灸治療によりかなり快復。(頸部の血流が問題と言われた)

症状:目眩・動悸は必ず首の痛み(圧迫感)と連動していると思われる。首の場所は後頭部中心から下に降りてきた所の窪みのさらに下、1つ目の大きな骨からやや下の部分。圧迫感が増すと動悸や目眩がひどくなるし、圧迫感そのものが不快感・不安感を増長する。当初ほどでは無いが、現在も慢性的に続いている。
 その件で整形外科にも行くが、レントゲンでは筋力の不足により頸骨がまっすぐになっていることが認められる。しかし動悸等とは関連なしとの所見がでる。

仕事:経営企画の作業をしているため、ほぼ1日中パソコンを使用。先生が紹介されている「パソコン作業による頸肩腕症候群」に似た症状は以前からあります。

相談:必ず首の圧迫感との連動で症状が悪化するので、個人的には関連性を強く感じていますが、医師の診断からは特に所見が認めらません。首の後ろ側の圧迫感つまり頸部の何らかの異常が、自律神経系への影響を与えていることは考えられませんでしょうか?関連がないとすれば、ストレスなどによる自律神経失調症という観点から心療内科などへの受診を考えようと思っています。
 なお、余談ですが、以前から首の疲れが激しく、首を回して音を立てるのが(気持ちもよかったため)くせになり10分に1度はボキボキと音を鳴らしています。

 とりとめもなくお書きしましたが、原因不明のまま続いているため途方に暮れ、精神的に疲れてきております。どうか良いアドバイスお願いいたします。

[tomos]

 「一日中パソコンを使用している」とのことで、症状からは「肩こり」、「筋緊張性頭痛」、ストレスによる「自律神経失調症」などが考えられます。

【筋緊張性頭痛】肩こりを起こす筋肉は僧帽筋ですが、この筋肉は頭部の筋肉につながっています。そのため僧帽筋が「肩こり」の状態になって筋肉の血流が悪くなると、頭部の筋肉も血流が悪くなり凝ってきて、締め付けられるような頭痛を生じます。これを筋緊張性頭痛といいます。

【自律神経失調症】パソコンの操作はかなりの集中力を要し、長時間続けると精神的にも多大なストレスがかかります。このストレスが原因で自律神経系を介して筋肉の緊張を増し、肩こり・頭痛をいっそう悪化させることになります。さらに自律神経系の緊張から、動悸・めまい等の症状が出現することもあります。

 こういった症状の予防には、パソコン作業時の姿勢が重要です。また、30分に一度は席を立ち、腕〜肩を動かす体操をしましょう。さらに、できれば週に2〜3回はスポーツジムに行ってエアロビクス等で汗を流し、運動後はジャグジー等で体をリラックスさせるのがいいと思います。
 人はひとつの事に集中していると、ストレスを感じます。しかし、仕事・家庭・趣味・スポーツ・ボランティアと、いろんな事に興味を持っていると、集中する対象をチェンジすることで気分転換ができ、ストレスを軽くできると思います。仕事一筋というのは、精神衛生上好ましくありません。

(Dec/10/1998)

Yuji [98年 12月 17日 (木) 1時 09分]

 12月2日に相談コーナーに質問させていただいた者です。お忙しい中、本当に丁寧な回答をいただきまして感謝しております。生活習慣も含めて改善させていこうと思っていますが、最後に1つだけお教えください。首の後ろ側を強く圧迫することが神経系統を傷める可能性はありますか?何しろ凝っていますので、相当な強さでゴリゴリとマッサージしたり、首を音を立てて回していると動悸など、気分が悪くなってくるのです。何分半年に及ぶ症状なのでやや精神的な面から来ている感もあるので、安心を得る意味でも関連性を教えていただきたいのです。お暇なときにでもよろしくお願いします。

[tomos]

 首の後ろ側の筋肉を圧迫しても特に神経系統を傷めることはないと思います。脊髄は脊柱管という骨のトンネルの内部にあって、筋肉をマッサージしたぐらいでは何ら影響を受けません。
 これに対して、頸部の前方をマッサージするときは、マッサージする部位によっては気分が悪くなることがありますから気をつけましょう。たとえば、頸動脈を圧迫すると副交感神経を介して脈拍数が下がることがあります。

(Dec/23/1998)

kk [98年 9月 24日 (木) 1時 10分]

 お返事いただき、ありがとうございました。
 その後心療内科にて相談しましたところ、「いわゆる自律神経失調症と言うよりはずっと、交感神経の問題に近いと思われるので、精神的治療より根治に近い星状神経節ブロックを受けてみるのが良いのでは」とのことでした。とりあえず精神的に安らぐよう薬を処方され、「麻酔科などでブロックもやってみて様子を見ましょう」ということになりました。
 そこでご相談なのですが、「ブロックをすることでどのようになり、副作用にはどんなことがあるのか」ということを教えていただけますでしょうか。「首の辺りに注射をし、ある意味でなんらかの神経を麻痺させる治療なのでは」と思うと少々不安です。場所も頭や首の症状ですので。相談ボードは暇さえあれば覗いて、書き込み OK を待っていたのですが、いつも書き込み中止でこちらに書かせていただきました。申し訳ありません。
 ご親切な説明、また「1年も2年もこういった症状が続く人は稀だ」ということを教えていただいたことだけでも、安心感を得ました。私の説明も拙かったかもしれませんが、どこの先生もこんなに詳しく説明してはくださいませんでした。医療の世界で一人でも tomos 先生のような方が増えてくれると本当にうれしいなと思います。
 マラソンに参加されたのですね。暑い中お疲れ様でした。しかし「ビールと焼そばでホッと一息」というのには少々仰天しました。大丈夫なのですか?お体はくれぐれも大切になさってくださいね!
「迷える患者」にとって救世主のような tomos 先生なのですから!

[tomos]

 交感神経(主として体を臨戦態勢にする神経)は副交感神経(主として体をリラックスさせる神経)とともに自律神経(自動的にコントロールされていて随意にはコントロールできない神経)と呼ばれ、星状神経節(星の形をしている)は頸部にある交感神経のいわば中継基地のようなものです。
 星状神経節ブロックは、この頸部にある交感神経節に局所麻酔剤を注射してその作用を一時的にブロック(遮断)するもので上肢や頭頸部・顔面の痛みをとったり血行を改善する目的でよく行われています。このブロックが効いたときは、一時的に瞳孔が縮小(黒目が小さくなること)したり、瞼が重くなったりします(よく効いた証拠です)。
 「薬と毒は紙一重」であり、副作用の全くない薬はありません。局所麻酔剤には、気分が悪くなる、興奮する、体がけいれんする、さらに重症になればショック症状(血圧が下がること)や、ごくまれには心臓が止まるなどの副作用が出現することがあります。特に頸部は血管に富み、誤って血管の中に局所麻酔剤が直接はいらないように注意が必要です。
 局所麻酔剤の副作用は注意することによってある程度はその頻度が減らせますが、すべてを予防できるものではありません。星状神経節ブロックなどの各種ブロックは、点滴や人工呼吸などの救命処置が直ちに行える施設で実施されるべきでしょう。

(Oct/2/1998)

ちるる [98年 7月 09日 (木) 19時 25分]

 中学校の教員です。部活動の指導で、ケガがおこったときの応急処置について教えていただきたいと思います。
 生徒が運動中に突然大腿部の痛みを訴えることがあります。筋肉がはったようになり、強い痛みを訴えます。このような状態が肉離れなのでしょうか。
 そのときの処置についてですが、本によって「冷やしたほうがいい」、「暖めたほうがいい」とあり、迷ってしまいます。(保健の先生は「筋肉が収縮しているから暖めたほうがいい」といいますが、「痛みが強い場合はやはり冷やすほうがいいのではないか」と思うのですが)適切な処置を教えてください。

[tomos]

 俗に言う「脚がつる」状態に関してのご質問です。ふくらはぎの筋肉が収縮状態になった場合は、「こむら返り」といいます。「こむら」とは「ふくらはぎ」のことです。大腿部の筋肉が収縮状態になった場合は何と呼んだらいいのでしょうか...。「ふくらはぎ」の場合も「太もも」の場合も病態は同じなので、ここでは「こむら返り」として回答させていただきます。(なお「肉離れ」とは、筋肉が部分的に断裂した状態をいいます)
 肝臓・腎臓・甲状腺の疾患、糖尿病、神経系の疾患などでも「こむら返り」が起こることがありますが、健康な我々でも夜間に「こむら返り」をしばしば経験します。運動選手にみられる「こむら返り」は、疲労や脱水により神経や筋肉が興奮しやすくなった場合に見られます。「こむら返り」は関節が曲がった状態でさらに力を入れて曲げようとすると、筋肉の収縮・弛緩の制御ができなくなって発生するそうです。「蹴る動作」を繰り返す種目は「こむら返り」が起こりやすいです。

<対処法>
 運動中に「こむら返り」が起きたときは、その筋肉をストレッチング(伸ばす)してやるとその筋肉が弛緩しやすくなります。ふくらはぎの場合は、膝を伸ばし、足首を背屈(甲の側に曲げること)してやります。本人にもその動作(スネの前面の筋肉を収縮させる)をしてもらうとより効果的です。太ももに「こむら返り」が起きるのも後部の屈筋群ですから、仰向けに寝た状態で膝を伸ばしてやり、できればその脚を前方に挙上してやるとその筋肉が伸ばされて弛緩しやすくなります。本人には「膝を伸ばしたまま前方に挙上してやろう」という意識を持ってもらうとより効果的でしょう。冷やす・暖めるというのはあまり関係ないように思うのですが。

<予防法>
 「こむら返り」の予防には、まずスポーツ前に十分にウォームアップ・ストレッチングをしておくことが必要です。硬いグラウンドや床も原因となりますからシューズの選択も大切です。そしてスポーツ中には脱水にならないよう、十分にスポーツドリンク(電解質の補給も必要)の補給をすることが重要です。またカルシウム不足は筋肉が興奮しやすくなりますから、牛乳などを日頃十分摂取しておくのがいいでしょう。

(Jul/12/1998)

T.M. [98年 6月 19日 (金) 23時 01分]

 三重県在住の41歳の男性です。RSD の略病名の正式名は何ですか?どんな病気でしょうか?

[tomos]

 RSD とは反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy)の略称で、整形外科医、麻酔科医(ペイン・クリニック)の間ではよく知られた疾患です。
 しかし、RSD の定義、病因(病気の原因)、治療法などには様々な見解があり、いまだに混乱している状態です。医師の間でも「わけの分からない病気」なのですから、一般の方には、ちんぷんかんぷんなのは当然でしょう。
 tomos は RSD の臨床経験があまりないために、RSD に関する知識が少なく、やむを得ず、医学雑誌の文献 『堀内行雄ほか:反射性交感神経性ジストロフィーの病因と病態.MB Orthop.8(5):9〜17,1995.』 から以下の部分を抜粋しておきました。かなり専門的な内容で、一般の方には(医師にも?)理解しにくいことをお許しください。

 【RSD の概念と定義】

 RSD とは、異常な交感神経反射を基盤とする四肢の疼痛疾患の総称であり、灼熱間で代表される疼痛、著しい腫脹、関節拘縮、皮膚の変色を4主徴とする疾患である。
 本病態発現に欠かせない病因の3要素は、持続性疼痛を生じる損傷や疾患の存在、患者自身の素因の存在および異常な交感神経反射の存在である。さらに、本疾患の特徴は、素因のない人にはほとんど苦痛にならない程度の外傷や有痛性疾患が、本症患者においては耐え難い苦痛として感じられ、異常な交感神経反射を介して悪循環(vicious cycle)を形成し、腫脹、関節拘縮、皮膚の変色、骨萎縮などが著明となり、適切な治療が行われなければ、最終的には廃用肢になってしまうことである。
 正常人では、身体の一部に外傷を受けると、正常な交感神経反射によって四肢の血管が収縮する。この反射は出血を止め、余分な腫脹を防ぐために必要な正常反応であり、外傷の治癒とともにこの反射は消退する。RSD の患者ではこの反射が消退せず、継続して働き続けるため、交感神経亢進状態となる。そのために末梢組織に局所的虚血が生じ、さらにそれが、より強い持続的な疼痛刺激として、異常な交感神経疼痛反射が作動することになり、悪循環が形成され RSD の発症に至ると考えられている。
 なお、1986年世界疼痛学会の用語委員会は、カウザルギー(causalgia)と RSD を明確に区別して定義した。それによればカウザウギーは必ず神経損傷を伴うものとし、RSD は太い神経幹の損傷がないものとしている。
 本疾患の特徴は、極めて軽微な外傷によっても発症し、外傷の割にはあまりにも症状や後遺障害の程度が強いことである。これらは、通常の医学的知識では判断しにくい側面を持っており、適切に診断されていないことも少なくない。
 RSD の治療には、各種神経ブロック、薬物療法、手術(神経切除など)などが行われている。

(Jun/24/1998)

ふじ [98年 2月 22日 (日) 17時 48分]

 初めまして。今日は妻の病気について相談にのって頂きたく、よろしくお願いします。
 昨年11月下旬頃から、右手(特に小指と薬指)の麻痺と痛みに苦しんでいます。いくつかの病院で治療をしてきましたが、どこの病院でもはっきりした原因が解らず、これといった治療もできず(痛み止めを服用しても全く効かない)、現在に至っています。原因として何が考えられ、今後どのように対処していったらよいのか、アドバイスして頂ければ幸いです。
現在の症状及び経過は以下の通りです。
 ・右手(当初は小指と薬指近辺であったが、最近では全体)が麻痺し、動かない。
 ・また、ジンジンと強く痛む。
 ・手首より上は特に機能麻痺はなく、腕の上げ下げや曲げたりすること可能。
 ・病院の神経検査では、神経機能が著しく低下しているとの確認はとれたが、原因は不明。
 ・けい椎からの影響も、検査の結果、特に考えられないとのこと。
 ・手のひらの手首から指に向かう筋肉が突っ張った感じであり、指を曲げられない。

[tomos]

 今回のご相談内容は、ネット上での情報交換だけでは、病状の把握等に限界を感じました。やはり、直接に診察をさせていただいたり、精密検査、症状の推移等を参考にしながら診断がつくように思います。
 整形外科、神経内科の領域の疾患であることは間違いないでしょうが、ここでは整形外科領域の疾患をリスト・アップさせていただきました。

<絞やく性神経障害>
 発症前は、職場のスーパーでパック詰め等の手作業がきつかったそうで、いわゆる使い過ぎが原因で神経が圧迫させたと考えると、この種の神経障害が一番考えられます。「絞やく」とは、絞め付けられることです。
(1)胸郭出口症候群:首から鎖骨の下のあたりで神経が圧迫される絞やく性神経障害で、なで肩の女性に多いような印象があります。お話では、脇のあたりから小指まで腕全体のだるさや痛みがあるそうで、まずこれを疑います。
(2)尺骨神経麻痺:尺骨神経(机の角で肘をぶつけるとビリッとくる神経)の絞やく性神経障害は日常診療でよくお目にかかります。肘や手首のところで尺骨神経が圧迫される場合が多いです。

<頸椎椎間板ヘルニア・頸椎症・平山氏病>
 症状からは、下部の頸椎における神経の圧迫も疑われます。頸椎の後屈(顔が天井を向く状態)で症状が再現・増強されれば、頸椎椎間板ヘルニア・頸椎症が、また頸椎の長時間の前屈(顔が床を向く状態)で症状が再現・増強されれば平山氏病(首の前屈によって脊髄が圧迫される病気)が疑われます。しかしお話では、MRI検査からは、この可能性は低いそうです。

<単神経炎>
 何らかの(機械的圧迫以外の)原因による神経の炎症。

<腫瘍>
 何らかの腫瘍(できもの)が神経を圧迫して、その神経の圧迫症状が生じることがあります。

 その他に神経内科的な疾患も数多く疑われますが、現在、神経内科でも診察を受けていらっしゃり、また tomos は専門ではないので、ここではコメントを差し控えさせていただきます。
 印象としては、整形外科領域では胸郭出口症候群を最も疑いますが、痛みが長びき、RSD とよばれる状態になっているようにも思います。これは激しい神経の痛みが続くと、中枢神経(脳、脊髄)や自律神経を介して、元の神経症状の範囲を超えて「たとえようのない痛み(患者にとって)」、「神経学的にわけの分からない痛み(医師にとって)」となった場合、その痛みやそれに伴った症状のことを言います。
 いずれにしても、なんとか診断がつき、早く痛みがとれますように、心からお祈り申し上げます。

(Feb/27/1998)

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