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May/1999〜 股関節・骨盤・大腿 Q&A ライブラリー

DY [01年 5月 04日 (金) 13時 52分] 和歌山県在住、45歳、男性
身長 164cm、体重 58kg、職業:会社員
【現病歴】
大腿動脈切断 2年4ヶ月
【相談・質問】
左大腿に人工血管を入れました。側副血管が出来て来ているのですが、今の所は大丈夫ですが、もしも、詰るような事があればどのような事をすれば良いのでしょうか教えて下さい。よろしく御願いします。


[tomos]

 人工血管に関しては血管外科という分野になるため tomos は専門外ですが、そうも言っていられないので人工血管の合併症を文献を調べてみました。
 人工血管の合併症で重篤なのは人工血管の感染(細菌に冒されること)で、抗生剤の投与はもちろん、何らかの外科的処置・手術が必要になります。
 人工血管と元の血管との吻合部(縫ってつないでいる部分)には、仮性動脈瘤(動脈がコブのようにふくれること)や狭窄(狭くなること)が生じることもあり、これも再手術を要します。
 人工血管それ自体にも、劣化や断裂(血管がふくれれば仮性動脈瘤)、閉塞を生じることがあります。この場合も何らかの再手術が必要です。
 再手術では、血管の傷んだ部分の切徐や修復、補強、時には人工血管の入れ替えが行われているようです。
 糖尿病があれば感染症を起こしやすくなります。また高コレステロール血症等があれば動脈硬化をきたしやすく、人工血管に限らず血管が閉塞しやすくなります。
 やはり生活習慣病にならないようにすることが大切なようです。

(May/5/2001)

まーくん [01年 1月 19日 (金) 0時 31分] 福島県在住、29歳、女性
身長 155cm、体重 47kg、職業:地方公務員(学校事務)
【スポーツ歴】
バレーボール(小4〜6)
ソフトボール(中1〜3)
【既往歴】
先天性股関節脱臼(右)
扁桃肥大
【家族歴】
母:腰部脊柱管狭窄症の手術を受ける(2000年9月)
祖父:椎間板ヘルニアの入退院を繰り返す
【合併症等】
なし
【現病歴】
右股関節の外側の痛み(長歩きの翌日、あぐら・長座・正座の後、長時間イスに座った後など)
右腰の下5pぐらいの所の痛み
【医療機関】
福島県 公立藤田総合病院 整形外科(乳児の時も同)
【診療内容】
レントゲン検査
変形性股関節症(右)
臼蓋の屋根が少し足りないけど正常といってもいい状態。軟骨も減っていません。ただ、大腿骨のつきかたの角度がほんのちょっと浅い。
今すぐ手術の必要もないが1年に1回レントゲン検査をして下さい。体重を増やさないように。筋力をつけて下さい。(運動が書かれたプリントを渡された)
今年は1/6に検査に行って来ました。診断は上記の通り。
【相談・質問】
 そもそも発症したのは、今から14年前、中学3年の時、ソフトの大会前に急に激しい練習をした翌日でした。右股関節の裏側が痛くなりました。それでも大会が終わるまで我慢して、大会が終わってソフトをやめたら痛みがなくなったので、ずっと忘れていました。学生時代は体育の授業を普通にこなしていました。
 その後は23歳の時、長歩きをした翌日に右股関節が痛くなりましたが、その翌日には痛みがひきました。
 最初に病院にかかったのは、25歳の時です。長歩きの翌日はもちろん、あぐらをかいた後や長座をした後、柔らかいソファーに座った後などに右股関節の外側に痛みを感じるようになりました。痛みは翌日に消えます。診断の内容は現在と同じです。
 相談というのは、レントゲンでは正常に近い状態にも関わらず痛みがあるのはなぜでしょうか。変形性股関節症以外に原因があるのでしょうか。(特に、車の運転をしているときや畳・床に座らなければならないときに痛みを感じます。)


[tomos]
 股関節のレントゲン検査は主に骨を見ていますから、レントゲン検査で正常に近くても、レントゲンで写らない関節軟骨の初期の傷み等はレントゲン検査でわかりません。
 (あっこさんの質問のところで既に述べましたが)先天性股関節脱臼(先股脱)は整復後、順調に経過し何ら障害を残さないこともあります。しかし、@関節の中に関節の縁などがはさまる、A臼蓋(屋根)の発育が悪い、B関節の適合性(フィッティング)が悪い、C脱臼のため骨頭にダメージがあって骨頭の変形をきたす、などのために将来、変形性股関節症になることがあります。臼蓋(屋根)のかぶりが十分あっても、一度脱臼していますから、関節の適合性等に問題があって変形性股関節症になることがあるわけです。
 しかし、@太らない、A重労働・過度なスポーツをしない、などの注意を守れば、特に何事もなく一生を過ごすことは可能です。また、水泳(クロール、背泳、水中ウォークなど)や筋力トレーニングで股関節周囲の筋力をつけると関節がしっかりして、変形性股関節症になりにくくなります。
 なお、余談ですが、家族性に発生することが多い両側の先天性股関節脱臼と違い、片側の先天性股関節脱臼の多くは非対称性変形の一症状として発生するとされています。

(Jan/21/2001)

ミッフィ [99年 10月 07日 (木) 12時 59分]

 こんにちは。
 49歳の母の事について相談なんですが、母は「両変形性股関節症」と言われ、5年前に右脚に国内製の人工関節をいれました。最近、左脚に痛みを感じだし、病院に行ったところ、「神戸製鋼から新たにいい人工関節が開発されているから、もう少し待ってみては?」と言われました。
 「外国製の人工関節は30年ほどもつ」と先生から聞かされていたんですが、母はもともと持っている自分の骨が細いらしく、「外国製の人工関節は入れられない」との事でした。母が右脚に入れた国内製の人工骨は、「何年もつかわからない」と言われ、左脚にも国内製の人工関節を入れる事に少し不安を抱いております。
 当時、同じ病棟に入院していた患者さんは、外国製の人工関節を入れ、心なしか母よりも回復が早かったように思い、やはり母は30年もつ外国製の物に関心があるらしく、自分の骨が細い場合、それに適したサイズの骨はないのか?また新たに開発されている神戸製鋼の人工関節は一体どういう物なのか?新しい物だけに、自分にどういうメリット・デメリットがあるのか悩んでいます。
 どうかご存じの事がありましたら教えて頂きたいのですが。よろしくお願い致します。
 PS. 会社のパソコンなので、少し周囲の目が気になるんですが、どうか返答をお願いします。

[tomos]

 人工関節の素材・デザイン等の改良は日進月歩です。たとえば、国内メーカーの京セラからは、患者さんの股関節の形状に合ったオーダーメイドの人工関節も発売されていてます。これは、術前に撮った患者さんの股関節のCTを京セラに送ってオーダーメイドのステム(人工股関節の大腿骨側)を注文するシステムですが、奈良医大では主にこれを使用しています。患者さんによって関節の形状は様々ですから、ステムの形状としては究極的にはこれが理想的です。オーダーメイドでなくても、最近は国産・外国製を問わず人工関節の形状・素材の開発はかなり進んでいて、一般的に使用されているものならどれを使っても耐久性が著しく劣るようなものはないと思われます。
 tomos は、人工関節手術を受ける患者さんには「一般的に人工関節は10〜20年もちますが、人工関節の種類や手術法が同じでも、その耐久期間は患者さんの関節の状態・体重・生活の活動性・持病などによって著しく左右される」と説明しています。例えば、慢性関節リウマチの患者さんは、全身の関節が侵されていて元々生活の活動性が低いので、若年者であっても人工関節が使用されます。また杖を使った方が人工関節が長持ちするのは言うまでもありません。

(Dec/29/1999)

ももりん [99年 9月 09日 (木) 3時 38分]

 先生こんにちは・・お忙しい中申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
 私は34歳、女性です。生後まもない頃に先天性股関節脱臼でバンドの治療を受けていました。私の記憶の中では10歳〜13歳頃には、すでに右脚の屈曲や開きが悪く跛行(はこう。左右非対称な歩行)も多少あったと思います。左脚は何の不都合もなく正常だと思っていました。
 保育園に勤めていたのですが、勤務中に正座をしたまま横にあった物を取ろうとして体重移動したところ左膝がはずれそのまま動かなくなってしまい、整形外科のお世話になりました。結局、膝はMRIの検査により異常なしでした。しかし、そこで先天性股関節脱臼をしていたということで股関節をみていただいたところ「両変形性股関節症」と診断されました。動きの制限・跛行はありましたが、痛みについて私自身気付かないほどでした。

  レントゲンでは左側のCE角が−10。(骨頭も変形がありました)

  右側は骨頭・大転子がかなり変形してしまっている状態でした。

 左右どちらを先に手術するか担当の先生も考えられていましたが、結局昨年の10月に左側の手術(RAO)をしました。現在、週2回のリハビリとプールに通っていますが、筋肉もだいぶしっかりとしてきたように感じています。しかし、疲れやすいためT字杖をつかっています。
 左側の手術をし負担をかけてしまったのか、右側に痛みが出現してきてしまいました。なにもしていない時は良いのですが、プールでクロールをしたり動きすぎてしまうと、お尻・もも・股関節が痛くなってしまい、現在月に5日〜10日くらいボルタレンサポ(痛み止めの坐薬)を使用している状態です。
 そこで、右側の手術をしたほうが良いのか、このままで頑張って直接人工関節にしたほうがよいのか悩んでしまっています。担当の先生のお話によると『手術をした場合・・・右側は変形がひどく、手術はRAOと大腿骨の合併手術(RAO・骨頭のでこぼこを削る・大転子をきりはなす・外反骨切)だが賭けになってしまう。適合できず数年で人工関節になってしまう可能性もある』『手術をしなかった場合・・・痛みのある右脚をかばい左脚に負担がかかり過ぎてしまい、悪くしてしまう可能性がある』という事でした。(手術前に他の病院で診察していただいた時には、「右側は手術をしても、もちが長くはならないだろう・・・」と言われました)
 するか・しないか・・選択肢がありますが私の気持ちは・・・直接人工股関節にしてしまうより、良い結果に賭け、手術に挑戦してみたいと思いつつも、でも、やはり怖いです。そして・・・今独身ですが、結婚して子供が欲しいと強く思っています。

1.両脚ということ・年齢的なこと・・・どうしたら良いものかと迷ってしまっています。
2.手術をしないで保存的にした場合・・痛み止めとつきあっていても子供できるのでしょうか?
3.やはり手術後、自骨が適合せず、数年で人工股関節になってしまう事は多くあるのでしょうか?

 長々とまとまりのない内容になってしまい申し訳ありませんが、私が選択肢を決める上で良きアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

ももりん [99年 9月 14日 (火) 0時 01分]

 先日、変形性股関節脱臼のことで相談コーナーに書きこみしましたももりんです。
 右側の状態について「骨頭と大転子がかなり変形している」としか書きませんでしたので、もう少し詳しい状態をと思います。
 骨頭と大転子が変形し、全体がハート型にちかい形状となってしまっています。そのため、臼蓋に骨頭がおさまっているのではなく、臼蓋には骨頭と大転子の全体がにおさまってっています。このような状態ですのでCE角も正確にはわかりません。軟骨はまだあるようです。痛みですが・・・関節の油がきれてしまったみたいな感じもあり、現在も痛みのある時には薬を使用してしまっています。
 伝言板に書きこんでしまいすみません。よろしくお願いします。

[tomos]

 両側の変形性股関節症の場合、特に「ももりん」さんのような若い患者さんの場合は治療方針をたてるのに難渋することがしばしばあります。ももりんさんの場合、結局昨年の10月に変形の軽い左側を手術(臼蓋回転骨切り術)をされたそうです。手術をした左側の経過が順調ならば左脚を支持脚とすることができ、今後は片側(右側)の変形性股関節症として対処できます。
 杖を使用し、患肢(ももりんさんの場合は右脚)を免荷(脚にかかる体重を減らすこと)すると、右股関節の症状が改善することが期待され、右股関節の手術時期を遅らせることが出来ます。さらに、ももりんさんはリハビリや水泳で股関節周囲の筋力のトレーニングもされています。ももりんさんは変形性股関節症の模範的な患者さんと言えそうです。
 なお、ももりんさんは右股関節が時々痛み、ボルタレンサポを数日に1回使用されているそうです。変形性股関節症には鎮痛剤がよく効きますが、薬には必ず副作用があり、坐薬とはいえ鎮痛剤には胃腸障害等の副作用がときに出現することがあります。鎮痛剤を連用すると子供ができなくなるというようなことはありませんが、将来もし結婚し妊娠されたときには、鎮痛剤の使用を一時控えた方がいいでしょう。
 思い切って左股関節の骨切り術行った場合ですが、順調にいけば関節の適合性が良くなるわけですから、手術しなかった場合よりも左股関節の寿命を延ばすことができるはずです。なお、骨切り術後その関節がどれくらいもつかは、変形性関節症の程度や患者さんの年齢・体重・活動性などによります。

(Dec/16/1999)

A.O [99年 6月 24日 (木) 21時 38分]

 Tomos先生、はじめまして。わたしは3ヶ月前に7年ぶりにバレエを再開した19歳の女の子です。身長は160cmで48kgです。
 最近でん部が痛み始めて、長時間学校で椅子に座ったりするととてもいたくて苦痛になります。特に、坐骨のまわりが痛くて前まで(再開したころは)、立って前屈をしたり、足をのばしてすわって前屈をしたりできたのですが、今は痛くてできません。バレエ以外に原因はないと思うのですが・・。
 今は整骨院に通っています。先生はお尻の筋肉が、がちがちになっていて、ここまで固い人はめずらしいと言われました。いつも電気をあててもらってマッサージしてもらってます。やってもらった後は楽になるのですが次の日にはまた元に戻ってしまいます。あまりに痛いのでほんとに筋肉が固まってるだけなのか不安になってます。
 一度、整形外科などに行って診察してもらったほうがいいのでしょうか?Tomos先生よろしくおねがいします。

[tomos]

 バレエのことはあまり詳しくないので、娘さんがバレエを習っているという看護婦さんにお聞きしました。それによると、バレリーナはバレエをするときに臀部の筋肉を緊張させているのでお尻の筋肉が固くなるそうです。バレエの立位での基本的な姿勢は、両脚を外旋させた(チャップリンが立っているときと同じ)状態で、その姿勢からポアント(つま先立ち)をしたり脚を上げたりします。そのため股関節周囲の筋肉を非常によく使うので、臀部の筋肉が固くなるそうです。
 A.O.さんのように7年ぶりにバレエを再開した場合、普段あまり使っていなかった筋肉を急に使いだしたため筋肉や筋肉の骨への付着部に無理がかかり、痛みが生じているものと考えられます。
 痛みが強ければ思いきって3週間ほどバレエを休むのもいいかもしれません。また、バレエのレッスンの前後にはストレッチ体操を十分にしましょう。

(Aug/1/1999)

みずほ [99年 5月 24日 (月) 7時 57分]

 6歳になる娘のことでご相談いたします。どうぞ宜しくお願いいたします。
 先日、娘が滑り台で遊んでいたところ、階段を踏み外し2.5mくらいのところから転落、左脚の股関節を後方脱臼骨折してしまいました。総合病院でレントゲンを撮ったところ、骨折部分は寛骨臼でほとんど転位がなく、ひびが入ったような感じでした。すぐに入院し現在膝の上に鋼線を刺入して直達牽引を行っています。今、受傷後6日程たちましたが脱臼もほぼ元の位置に戻り、痛みもかなり収まってきている様子です。
 主治医の話ではこのまま後1週間ほど牽引を続け、その後も手術はせずに保存的に治療をすすめるとのことです。やはり牽引が終わったらギプスで固定するんでしょうか。しかし場所が場所なだけにどのように固定するんでしょうか?完治するまでに半年くらいは見ておいてくださいとのことですが、来年は小学校に入学しますので後遺症が残らないか心配です。
 将来的に歩くのに支障が出たり、関節症になったり、痛みが出たりしないか不安になっております。今後の治療法や注意しなければいけないことなどなんでも結構です。どうぞご教授ください。

[tomos]

 tomos は小児の外傷性股関節脱臼の経験がありませんが、6歳の娘さんは幸い骨折の転位もなく、脱臼の整復も良好とのことです。成人のこのような外傷性股関節脱臼の場合、受傷後(牽引を含め)約6〜8週間は床上安静とし、その後松葉杖で歩行を開始します。ギプス固定(胴〜患肢の足まで)をすることはあまりありません。6歳の小児の場合、3〜4週間も安静にすれば十分なように思います。
 成人の外傷性股関節脱臼の場合、大腿骨頭の血流が悪くなり骨頭が壊死に陥る「大腿骨頭壊死」や関節の損傷や不適合による「変形性関節症」をきたすことがあり、受傷後長期にわたる経過観察が必要です。小児の場合も基本的に同じですが、成人の場合に比べ成長に伴う自己矯正能がありその点はやや安心です。
 活発に動き回る、娘さんのような年頃のお子さんの場合、軽微な大腿骨頭の外傷(たとえば飛び跳ねて傷める等)で大腿骨頭が壊死になり、数年にわたる治療を要する場合があります。これを「ペルテス病」といいますが、この年頃では骨頭を栄養する血管が損傷を受けやすいのが原因だと言われています。この「ペルテス病」も軽症〜重症があり様々ですが、重症の場合、骨頭に変形を残し将来変形性関節症になることがあります。
 娘さんが一種のペルテス病のような大腿骨頭壊死を生じるかどうかは、初期ではMRI検査で、骨頭が変形をきたせばレントゲン検査でわかります。
 何事もかなった場合、おそらく半年後には娘さんは元気に飛び回っていることでしょう。

(May/27/1999)

[99年 5月 05日 (水) 1時 45分]

 tomos先生こんにちは、お忙しいところ失礼いたします。
 私は37歳、女性です。生後2ヶ月の時、先天性股関節脱臼でギブス治療を受けました。1年前から股関節が痛みだし、今年に入って股関節を専門とする整形外科医の診察を受けましたところ、「臼蓋形成不全による初期の変形性股関節症」と診断されました。CE角が右が10度、左が16度で、今年中に右を寛骨臼回転骨切り術を勧められました。左は「様子を見ましょう」との事でした。
 「入院が半年ぐらい」だと言われ、これは大変な事だと思い別の病院で診察を受けたところ、診断はまったく同じでしたが「入院が3ヶ月」と言われ、よく聞いてみたところ術式が少し違うようでした。前者は大転子を切らない方法で、後者は大転子を切る方法のようでした。
 本によると前者は足が短くならなくて、後者は足が5ミリから1センチ短くなるとありました。この2つの方法で跛行の程度の差はあるのでしょうか?できる事なら外見上もとの状態に戻れる事を望みます。この事を含めて両者のメリット、デメリットを教えて下さい。
 実はその後また別の病院で診察を受けたところ、「手術はまだ早い。保存的(股関節周辺の筋肉をつける)にして定期的に診察を受けるように」と言われました。「進行の程度によっては一生手術しないで過ごせる可能性もある」と言われ、ますます混乱してしまいました。
 2ヶ月前から筋力トレーニング、ストレッチ、水泳などを始めたところ、股関節機能判定基準が右が88点(前は60点)、左が91点になりました。 痛みが今あまりないので、手術を先に延ばしたい気持ちが強いです。
 信頼できると思う先生にお任せするのが一番良いのでしょうが、いわれる事が違うので迷ってしまします。どの先生も自信を持って診察されていると思いましたし。長くなってすみません。アドバイスをお願いいたします。

[tomos]

 幸さんは股関節の臼蓋形成不全があり、手術を受けようか、このまま(筋トレ、ストレッチ等の)保存的治療を続けてガンバロウか迷っていらっしゃるようです。
 保存的治療が有効であれば、このまま筋トレ・ストレッチを続け、体重が増えないように、また股関節に無理をかけないように気をつけながら何とか一生がんばれる場合もあります。
 一方、もしレントゲン検査で右股関節に初期の変形性股関節症の変化が現れているのであれば、今後変形性関節症が多かれ少なかれ進行する場合が多く、早期に右股関節の手術に踏み切る方がベターだとする考え方もあります。
 レントゲンを拝見していないので何とも申し上げにくいですが、「左側はこのまま様子を見る」のがいいと思いますが、右股関節に関しては、保存療法・手術のどちらにするか、最終的には「選択の問題」だと思います。
 次に手術方法についてですが、臼蓋回転骨切り術では脚が大幅に短くなるということはありません。大転子を切るかどうかは手術方法の問題であって、脚長にはあまり影響を与えないと考えます。また、仮に手術で短くなっても5〜10mmの短縮ならば跛行は生じません。跛行はむしろ中臀筋というおしりの外側の筋肉の筋力低下から生じます。
 最後に入院期間についてですが、術後経過が良好であれば、あまちゃんのちびにゃんぽっとに紹介されているように、平均的には2〜4ヶ月と考えます。

(May/24/1999)

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